実家が時計と宝飾品を扱う会社を経営しており、新品だけでなくアンティーク時計も扱っています。身内であることの利点を最大限に利用し、程度の良い物ばかりをピックアップし原価に近い価格で譲り受け、店頭販売価格より安い値段で出品します。また専属の時計技術者がおり、出品の時計は全てOH(オーバーホール)済みですので安心してお使い頂けます。

長年OHしていなくても故障していなければゼンマイを巻くと時計は動きますので素人目には「元気に動いているので使い続けて大丈夫だろう」と思われがちですが、実際はオイル切れの状態で無理しながら動いているだけで、時計は悲鳴をあげながら動いているのです。良く勘違いされる事は、リューズの巻き上げもスムーズだし精度も良好なので大丈夫だろうと思われる事です。OH直後でも２０年一度もOHしていなくても、その構造上ゼンマイの巻き上げの感触には素人でも分かる位の明らかな差は出ません（防水時計や自動巻きは除く）。また、長年OHしていなくても精度を調整する緩急針という内部パーツを少し動かせば日差３０秒以内に調整する事は可能ですので、精度が良好だからと言ってOHが必要ないとは言えないのです

時計にとって大事なのは各パーツに最適な状態のオイルが保持され、無理なく時計が動くようにしてあげる事なんです。時計を使っても使わなくてもオイルは4～5年で酸化したり無くなったりしますので定期的なOHが必要です。ゼンマイで動く機械式時計の重要機構である脱進機（テンプ）は、1時間に約２万回も回転往復運動している訳ですから、油が切れた状態で無理に時計を使う事が良くない事は容易に想像できると思います

「通常２～３万円の費用が掛かるOHを、本当に全ての時計に行っているのか？」という疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。OHすると必ず発行されるOH明細書や領収書を出品画像の中に含ませて信用してもらうのも１つの方法ですが、私の場合はOH前に分解した状態の写真を撮影してもらうように技術者に頼んでおり、それを商品写真の中に掲載するようにしております（このまま洗浄や調整をしないまま再組立てする時計技術者はまず居ません）。ただ単に「オーバーホール済み」と書くよりは信用してもらえるかと思います

機械式時計は超が付く位の精密機器です。定期的にOHしなければマトモに動かないという事をご理解ください